戦略コンサルタントが教える、思考力を鍛えるケース面接の考え方

現役戦略コンサルタントとして活動するかたわら、採用チームや、個人ケース面接を通して感じたことを発信していきます。

Introduction: 自然な考え方を心がけることで、より良い回答になる

現状の問題: 不自然なアプローチによる、おかしな回答の頻出

 コンサルティング会社の採用選考で実施されるケース面接は、「知識」「事前の回答準備」などで差をつけるのが難しく、そもそも「正しい回答」が存在しないテーマで行われます。そのため、その場で考えた「工夫」「知恵」などが重要になります。

 しかしながら、多くの方は、どうしても採用“選考”と言われてしまっているのが原因か、本来あるべき考え方から離れた「不自然な取り組み方法」でケース問題を解こうとします(「正しい回答」を探そうとしているように見えます)。代表的なのは以下のような回答です。

 

※不自然な取り組み例

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 ここで重要なのが、上記の「不自然な取り組み方法」の原因が、個々人の能力の不足にではないところです。普通の「議論・ディスカッション」として行えば、自然体で回答することでもっと良いパフォーマンスが出せるのに、「面接」と言われてしまうのが原因か、おかしな解き方とアウトプットになってしまっています。

 

本Blogの解説の趣旨

 私は、今までに数多くの方のケース面接の練習を、マンツーマンで行ってきました。それらの多くの経験から、皆さんが「どのような罠に陥りやすいか」といったものを多く認識しています。その知見をもとに、以下の方針で問題と解説を作成しました。

  • 模範解答は、“あえて”提示しない。
  • 模範解答の代わりに、回答を導き出すうえで「見落としがちな視点」や「陥りがちな罠」を解説する。(そもそもの取り組み方)
  • 同じ概念(視点)を、形式を変えながら複数の例題にて解説し、「覚える」ではなく「理解する」レベルまで到達する。

以上のコンセプトに沿って、ケース問題とその解説を記載していきます。

 まず、模範解答をあえて提示しないのは、模範解答を見ると、ついついそれを”覚える”ように誘導されてしまうからです。しかし、同じ問題が実際の面接で出題されるわけではありませんし、面接では面接官が「質問」を通して、考える力の有無を判別しようとしてくるため、模範解答を答えられてもあまり意味はありません。そうではなく、その”模範解答”を導くうえで、重要な考え方や視点の理解に集中していただくため、あえて模範解答は避けました。

 また、ケース面接では、「考え方」「思考力」といったもの以外に、数字の計算力やMECE(論理の飛躍など)といったものも見ていますが、本ブログはここに踏み込みません。なぜなら、計算力やMECEは、「書籍による自習」や「友達との練習」でも、一定以上の質の達成や訓練が可能であるからです。一方、そもそものケース面接への「取り組み方」や考える上での「視点」は、どうすべきかあいまいであり、自習や友達との練習では、上達しないばかりか間違った方向に進むリスクがあります。そのため、この「取り組み方」や「視点」を集中的に解説します。 

 

記事一覧

本ブログは、以下の順番で閲覧いただくことを想定しております。

 

①. まず初めに、「導入ケース問題」のカテゴリの記事をご覧ください。

導入ケース問題 カテゴリーの記事一覧

②. 次に、「実践ケース問題」のカテゴリの記事をご覧ください。

実践ケース問題 カテゴリーの記事一覧

③. [②]の実践編を複数閲覧した後に、「総まとめ」の記事をご覧ください。

総まとめ カテゴリーの記事一覧

 

 ※その他、よく質問を受けるテーマについて、解説記事を「番外編」に記載しました。

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